📱 事例:AI技術による
TFT液晶パネルの表面傷検査
1. 従来の検査が抱える課題
近年、スマートフォン、タブレット、PCといった
3C製品(Computer, Communication, Consumer Electronics)
の急速な進化により、その心臓部である
TFT-LCD(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)パネルの需要が
大きく増加しています。
Ⅰ.薄型化・軽量化の追求: パネル設計がますます薄く軽くなる中で、
わずかな表面の傷や欠陥が、製品全体の品質を決定づけます。
Ⅱ.検査の難しさ: パネルの大型化と高精細化が進む一方で、
微細な傷を人の目で広範囲にわたり
リアルタイムで見つけ続けるのは、非常に困難です。
Ⅲ.不良品の流出リスク: 見逃しが発生すると、
高価なパネルが不良品のまま後工程(組み立てなど)に進んでしまい、
製造コストの大きな損失につながります。
私たちは、この課題を解決するため、
最新のAI画像技術をパネルの生産ラインに導入し、
品質と生産効率の向上を実現しました。
2. AIが実現する「リアルタイム」での高精度検査
AI画像技術は、液晶パネルの製造ラインに組み込まれ、
生産を止めずに、パネルの品質を確実に見守ります。
AI検査の仕組み
1. 高速かつ全数検査
AIシステムは、製造ラインを流れる全てのパネルの表面を高速カメラで撮影し、
その画像を瞬時に分析します。人間のように疲れることがないため、
生産ラインのスピードに完全に追従し、
全てのパネルを同じ高い基準で検査し続けます。
2. 微細な傷の検出
AIは、事前に正常なパネルとあらゆる種類の傷や欠陥のパターンを
徹底的に学習しています。これにより、人間の目では見逃しがちな
極めて微細な表面傷や異物の付着なども、正確に検出・識別できます。
3. 歩留まりの向上
検査で不良品が検出された場合、
AIシステムは即座にラインを制御し、
その不良品を後工程へ流すことを防ぎます。
これにより、不良品に無駄な人件費や材料費をかけることなく、
初期段階で排除できるため、製品全体の
歩留まり(良品率)を大幅に向上させることができます。


AI画像技術の導入は、TFT液晶パネルの品質管理を
「経験と目視に頼るもの」から「データと科学に基づくもの」へと進化させました。
私たちはこの技術を通じて、
お客様が求める薄く、軽く、完璧な品質を持つパネルを
安定して提供し続けます。
このAI検査システムについて、
貴社の特定のパネル設計への適用可能性など、
詳細なご相談がございましたら、
お気軽にお問い合わせください。
